ニーズとシーズの出会いを求めて 関西FRPフォーラム

ご挨拶

主査 藤井 透

ガラス繊維やカーボン繊維を強化材とするFRPに関して、その技術と産業の発展を目的として、我国でも様々な学術、業界団体があります。その中で、20数年の歴史を持つ関西FRPフォーラムは、FRP業界、とりわけ会員企業の発展を目的として設立された「情報発信基地」であり、その名の通り、「関西」以西の西日本で唯一民間運営の組織として活動を行っております。

ご承知の通り、コロナ禍前までは、FRPの生産量は幅広い分野で、世界的に右肩上がりに増えてきました。しかし、コロナ禍により2020年度は大きな落ち込みを見せました。コロナ禍以前の水準に戻るのは数年先と言われています。一時回復基調から横ばいとなっていたFRP国内生産量も大きな落ち込みを見せています。我が国のFRP産業の構造的課題もあり、労働集約型製品のみならず、原料、さらにはEVに伴う自動車用のFRP新製品についても国内で生産されることは考えにくい状況です。FRPの生産量は、コロナ禍にあっても中国のみが前年比+であり、今後とも我が国のFRP需要に対する供給を中国に依存するところ大です。直近のChina Composite Expoに見られるように、中国におけるFRP新製品開発は目覚ましく、かつて日本での合言葉「欧米に追い付き、追い越せ」も、中国では過去の言葉になりつつあります。早晩、FRPに関して「中国に学べ。追いつき、追い越せ」が、我々FRP仲間での挨拶になることもあり得ます。
そのような中、我々が生き残り、FRP分野で存在感を示すのは、【技術革新】と他が追随できない【新製品開発】以外にありません。アメリカやヨーロッパでも、まだまだ多くの製品が国内生産され、他国にも輸出されています。付加価値の高いFRP製品は、国民一人当たりのGDPが高い国でも国内生産できるのです。これを可能とするのは、独創性と技術力であり、開発を諦めない技術者、企業の姿勢です。さらに、それを後押しできるのが、産・官・学のみならず『産・産』の協調であり、相互補完の中で、FRPに関わる全ての方々のwin-winの関係です。
古来の逸話にあるように、「一本の矢では折れるが、3本の矢は強い」の通り、<協調・協力>なくして、我が国のFRP産業に未来はありません。関西FRPフォーラムでは、情報交換と互いの切磋琢磨を通して、我が国のFRP産業の発展に少しでも貢献できることを願っております。素晴らしい思い付きでも、一人だけでは、一社だけでは実用化が困難です。時間もかかります。これまでの慣習を破るときです。

海洋プラスチックス、マイクロプラスチックス問題を背景に、脱石油由来プラスチックスが叫ばれています。また、CO2削減、サステイナブルな社会実現のため、FRPの強化材として、化学繊維やガラス繊維に代わり、再び天然繊維の使用が模索されています。FRPに関わる各種材料のリサイクルも実用化しつつあります。これらの動きは、極めて速く、一社で対処できない時代です。これらの分野でも、関西FRPフォーラムが「産・産」(+官&学)協力・協調の一助となれば幸いです。

コロナ禍の終息を見据え、関西FRPフォーラムでは、「FRP入門講習会」をはじめとする各種講習会・セミナー、講演会等を順次行ってまいります。また、セミナーでは、強化プラスチック協会、ほくりく先端複合材研究会、オートモーティブ・コンポジット研究会をはじめ、FRP諸団体とも連携し、FRP技術の基礎と、最新情報をお届けできればと願っております。

関西FRPフォーラムは、企業の技術者のみならず、企画、購買、営業などFRPに携わっておられる幅広い方々にご参集頂き、FRPについて語り合う会でもあります。何かあれば、「関西FRPフォーラム」に聞いてみよう、講演会に出て、あの方に聞いてみよう、あの会社とこれを一緒に出来ないか、尋ねてみよう・・・を側面から支援します。そんな集まりで、気軽にご参集くださることを切に願っています。